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元田事務所ニュース 2008年05月号 3ページ目

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労働契約法


労働契約法のポイント

労働契約の理解促進と安全配慮



労働契約の内容の理解の促進(法第4条)

 労働契約は、その当事者である使用者と労
働者の合意によって成立しますが、契約内容
について労働者が十分に理解しないまま契約
を結び、または変更した場合に、お互いの認
識の相違が原因で個別労働関係紛争が生じる
ことが多くなっています。
 このようなことから、労働契約法第4条で
は、以下のように、労働契約の内容をはっき
りと示し、労働者の理解を深めるようにする
ことが定められています。
@使用者は、労働者に提示する労働条件及
 び労働契約の内容について、労働者の
 理解を 深めるようにするものとする。
A労働者及び使用者は、労働契約の内容
 (期間の定めのある労働契約に関する
 事項を含 む。)について、できる限り書面
 により確認するものとする。


 @について、「労働者の理解を深めるよう
にする」とは、どこまでを言うのか具体的に
決められてはいませんが、例えば、使用者が
労働契約の内容をしっかりと説明し、労働者
から確認や質問があったときは誠実に回答す
ることなどが求められるでしょう。
 説明の機会としては、労働契約を結ぶとき
や就業環境や労働条件が変わるときだけでは
なく、労働者から就業規則に記載されている
労働条件について説明を求められた場合など
も考えられます。
 Aについては、「できる限り書面で」という
努力義務的な表現となっていますが、労働基
準法第15条では労働条件の明示義務が定め
られ、労働契約の締結時に賃金、労働時間、
退職に関する事項など一定の事項については
書面を交付することが必要とされています。
 労働契約法は、労働関係紛争を防止すると
いう観点から、契約締結時に限らず、契約期
(3)

間が続いている間の各場面で、契約内容をで
きる限り書面で確認することを求めているも
のと言えます。
 また、「期間の定めのある労働契約に関す
る事項」には、「有期労働契約の締結、更新及
び雇止めに関する基準」において使用者が明
示しなければならない更新の有無や、更新の
判断基準に関する事項も含まれるものとされ
ています。

労働者の安全への配慮(法第5条)

 労働者が職場の設備や器具などの不備が原
因でけがをしたような場合には、労働者が使
用者に対して民法第415条(債務不履行)や
第709条(不法行為)などを根拠に、民事訴
訟で損害賠償を請求するケースがあります。
 通常の場合、労働者は使用者が指定した場
所で、使用者が用意した設備や器具などを用
いて、使用者の指示のもとで労働するという
ことから、使用者は労働者を危険から保護す
るよう配慮すべき義務を負っていることは、
判例で確立されたものとなっています。
 こうした考え方を受けて、労働契約法第5
条に、
 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生
命、身体等の安全を確保しつつ労働すること
ができるよう、必要な配慮をするものとする。

という規定が設けられています。
「労働契約に伴い」とされているように、労
働契約の内容として具体的に定められていな
くても労働者が安心して働けるよう、労働契
約に付随して、当然に使用者が安全配慮義務
を負うことを明らかにしたものです。
 この場合の「生命、身体等の安全」には、
心身の健康も含まれると解釈されていること
から、職場の災害リスクマネジメントや環境
の整備・改善だけではなく、長時間労働など
心身に重い負荷がかかることを避けるような
ことも「必要な配慮」に含まれると言えます。
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