労働契約の基本的なルールを定めた新
しい法律「労働契約法」が、今年3月1日
から施行されました。
本則が19の条文からなるコンパクトな
法律ですが、労働契約をめぐる重要な判例
法理をもとに策定されたものです。
労働契約法により、労使の間のトラブル
が防止され、個別の労働関係が安定するこ
とが期待されています。
労働契約法第3条では、労働契約の基本的
な理念と労働契約に共通する原則を5つにま
とめています。
@「労使対等の原則」
| 労働契約は、労働者及び使用者ガ対等の立場にあける合意に基づいて締結し、又は変更すべきものとする。
(第1項)
|
労働契約は、初めて締結するときも変更す
るときも、当事者である労働者と使用者がお
互いに対等な立場で、契約内容について合意
(意思の合致)することが前提となることを明
らかにしたものです。
労働基準法第2条(第1項)にも「労働条
件は、労働者と使用者が対等の立場において
決定すべきものである。」とありますが、これ
も同じ趣旨に基づいています。
A「均衡考慮の原則」
| 労働契約は、労働者及び使用者ガ、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。
(第2項)
|
パートタイマー、契約社員、派遣社員など、
就業形態の違いに応じて、労働契約の内容に
ついて他の労働者(正社員など)とのバラン
スを考慮すべきことを明らかにしたものです。
4月施行の「改正パートタイム労働法」は、
いわゆる「正社員並みパート」の待遇におけ
る差別的扱いの禁止、それ以外のパートタイ
マーの待遇については通常の労働者との均衡
に配慮することなどを事業主に求めています
|
(3)
 |
が、労働契約法においての「均衡」の対象と
なる労働者は、パートタイマー以外にも拡げ
られています。
B「仕事と生活の調和への配慮の原則」
| 労働契約は、労働者及び使用者ガ仕事と生活の調和にも配慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする。
(第3項)
|
近年、仕事と生活との調和(ワーク・ライ
フ・バランス)が重要なテーマになっている
ことから盛り込まれたもので、この考え方を
労働契約の締結、変更の場面でも取り入れる
ことで、長時間労働の抑制や家庭生活に応じ
た特別休暇の設定などに結びつくことが期待
されます。
C「信義誠実の原則」
| 労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。
(第4項)
|
「契約」の一般原則を確認するものです。労
働契約においても、使用者だけでなく労働者
も信頼関係を前提にして相手方に対して権利
を行使し、契約履行の義務を負うことを求め
たものといえます。
労働基準法第2条(第2項)にも同様の定
めがあります。
D「権利濫用禁止の原則」
| 労働者及び使用者は、労働契約に基づ<権利の行使に当たっては、それを濫用することガあってはならない。
(第5項)
|
これも「契約」の一般原則です。契約の当
事者が契約に基づく権利を著しく拡大して行
使することは「権利の檻用」となります。こ
れが禁止されることを労働契約に関しても確
認するものです。
労働契約法では、「出向命令」(第14条)、「懲
戒」(第15条)、「解雇」(第16条)での権利の
ラ監用を無効とする規定が設けられています。
|
|
|