元田事務所ニュース 2021年(令和3年) 9月号 TOPIC 2

 政策  長時間労働是正を経て改革は次のステップへ
骨太の方針2021、閣議決定!
働き方改革、企業組織の変革

6月18日、「経済財政運営と改革の基本方針2021 日本の未来を拓く4つ原動力~グリーン、デジタル、活力ある地方創り、少子化対策~」(以下「骨太の方針2021」)が閣議決定されました。原動力を支える基盤づくりのひとつである「フェーズⅡの働き方改革」(以下「フェーズⅡ」)を確認しましょう。

●働き方改革推進への取り組み
 2019年4月に施行された「働き方改革関連法案」は、長時間労働の是正に主眼を置く「フェーズⅠ」の取り組みから始まりました。翌2020年7月に「フェーズⅡ」の基本方針が閣議決定されると、経団連は、付加価値の高い働き方を追求するため、日本型雇用制度の見直しとジョブ型人事の拡大を提言しました。
「骨太の方針2021」では、「フェーズⅡ」を深化させ、「付加価値生産性を高めるとともに、誰一人として取り残さない包摂的な社会」の実現に向けて、具体的な方向性を示しています。

●柔軟な働き方の推進
 働き方改革の基本的な考え方は、働く人が「固々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を選択できる社会の実現」です。
「骨太の方針2021」では、良質なテレワークの定着、推進に向け、改正ガイドラインの周知を図り、ICTツールの活用やサテライトオフィスの整備、ワンストップ相談窓口など、企業における導入を支援する方針です。また既にテレワークを導入している企業については、出勤者数削減に関する実施状況の公表を促し、定着に向け更なる取り組みを求めています。
 労働時間法制については、「フェーズⅠ」における労働時間の適正化に続き、裁量労働制の実態を調査した上で、制度の在り方を検討する、としています。

●多様な働き方の実現
 兼業・副業の普及・促進に向けた取り組みでは、改定ガイドラインを周知し、労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業を認める方向で検討するように企業に求める方針です。フリーランスに関しては、ガイドラインを踏まえ、関係法令の適切な適用などを行うとともに書面での契約のルール化など保護制度の在り方を検討する、としています。
 またワーク・ライフ・バランスが重視されるなか、感染症防止対策も相まって、選択的週休3日制度の導入が検討されています。育児・介護・ボランティアや、地方兼業での活用などが考えられ、好事例の収集・提供などにより、企業における導入を促し、普及を図る方針です。

●女性活躍推進と少子化対策
 新型コロナウイルス感染症の拡大は、雇用面や生活面において、特に女性に深刻な影響を与え、格差拡大が懸念されています。ジェンダー平等・男女共同参画が進まない現状に対して、幅広い政策分野の女性参画の拡大を推進し、既存の制度や慣行を見直す、としています。
 少子化対策の観点からは、賃上げや正規・非正規の格差是正、男性の育児休業取得を促進し、雇用環境の改善・整備を図る、としています。また結婚や不妊治療、出産に関する支援、子育てをしやすい環境の整備に向けた取り組みを進める方針を掲げています。

●新しい時代の人事考課制度
 社会や経済の構造変化に対応するためには、人事考課制度の見直しは必要不可欠です。「骨太の方針2021」では、終身雇用や年功序列を背景とした日本固有のメンバーシップ型から、雇用形態にかかわらず、職務に応じて勤務場所や時間などを選択できるジョブ型へ雇用形態の転換を図る、と明示しています。
 人材の流動性が高いジョブ型雇用制度は、常に自己研鑚によるスキルアップが求められます。「骨太の方針2021」では、人材育成を重視し、公的職業訓練における在職者の訓練の推進、教育訓練休暇の導入などを含め、働きながら学べる仕組みを抜本的に見直す、としています。
 また生涯学習とキャリアアップのため、社会人が大学などで学び直すリカレント教育を拡充し、企業や訓練幾関の教育訓練において、一人ひとりの目的・状況に応じたプログラムの柔軟化・多様化を推進し、能力開発や資格取得を支援する、としています。
 今後も「骨太の方針2021」に沿って展開される様々な法改正に注目していきましょう。