元田事務所ニュース 2021年(令和3年) 4月号 TOPIC 2

 採用活動  メリット、デメリット、注意点を再確認する
オンライン面接における運用上の注意点
コロナ禍のなか、新たな人材を獲得するにあたり、多くの企業ではオンライン面接による採用が検討、導入されています。今後、採用活動の主流になることを見据えて、オンライン面接の現状と採用する企業側から見た運用上の注意点をお伝えします。

●オンライン面接とは

 オンライン面接とは、企業の面接担当者と求職者のパソコンやスマートフォンなどをネット回線でつないで実施する面接のことを指します。対面での面接とは異なり、機器を使用し、画面越しでコミュニケーションを行うため、双方に安定したネット接続環境が必要となります。

●オンラインによる採用活動の動き

 オンライン面接は、数年前からIT企業や大企業を中心に導入が進んでいました。新型コロナウイルスの流行に伴い、感染リスク回避の観点から、オンラインによる採用活動は、すべての企業にとって必要不可欠となってきました。宮崎県では、オンラインでの採用手法に関するウェブセミナーが開催され、会社説明会や面接の実施方法、各種サービスの案内や注意点など、県独自でアドバイスし、推奨しています。
 従来型の企業合同説明会は姿を消し、オンラインにより各企業が独自に情報や魅力を発信して、欲しい人材にアピールする動きは、求職者にとっても利便性が高く、オンラインによる採用活動は、今後更に加速していくでしょう。

●メリットとデメリット

 採用面接をオンラインで行うことにより、会場設定や受付対応の手間がなくなり、面接の日程調整が容易になりました。業務の効率化は、面接実施の増加と迅速な人材の確保を可能とし、会場費や移動交通費など経費の削減は、同時に遠方の求職者や転職希望者など幅広い人材からの応募にもつながっています。また複数の面接官による参加や録画による確認を可能にしたことは、面接の内容を客観的に評価してフィードバックし、面接スキルの向上と求める人材に合致した採用体制構築につながっています。
 一方デメリットとしては、表情や雰囲気が伝わりにくく、求職者の本来の姿や能力を理解することが難しい点が挙げられます。またオンラインによる面接システム導入の検討や、求職者に対する自社システムの説明やフォローといった新しい業務が必要となります。通信環境によっては、音声や画像が途切れてしまい、面接が中断し、正確な情報を聞き取ることができないなど、通信障害によるミスコミュニケーションが起こる可能性もあるため、注意が必要です。

●導入へのステップ

 オンライン面接を導入するにあたり、まずは一次面接など採用プロセスの一部で導入し、画面上と現実のギャップにおけるリスクを認識し、言葉以外の情報をどう取り入れて評価するかを検討することが大切です。更に導入目的を明確にしか上で、画像や通話の品質が安定していて、どんなデバイスでも使用でき、手間がかからない専用のツールを選ぶことも重要です。オンラインによる面接方法をはじめ、ツールの扱い方や通信環境のアクシデントにおける対応策をマニュアル化し、社内で共有することは、円滑な運用を行う上で欠かせません。

●面接における注意事項

 採用選考にあたり、求職者の基本的人権を尊重し、適性・能力のみを基準として行うことは基本です。面接では、①本人に責任のない本籍や家族、住宅状況や家庭環境などに関すること、②思想信条にかかわる宗教、支持政党、人生観、尊敬する人物や労働組合に関する情報、購読新聞に関することなどの質問は、就職差別につながるおそれがあります。また個人情報保護の観点からも、社会的差別の原因となるおそれのある個人情報の収集は、原則として認められません。
 オンライン面接は、企業と求職者双方で録画することが可能です。不適切な発言は、そのまま企業のイメージダウンにもつながりかねません。不要なトラブルを避けるためにも、オンライン面接における利用規約・マニュアルを作成・周知し、適切かつ着実に時代の波に乗っていきましょう。