元田事務所ニュース 2020年(令和2年) 8月号 TOPIC 2

 安全衛生  職場の感染症対策
新しい生活様式における職場の感染予防行動のポイント
新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が解除され、社会経済活動も徐々に再開されるなか、第2波・第3波に備え、以前の日常から新しい生活様式へ意識のシフトが求められています。
事業者においては、感染症拡大防止に対する取組方針を定め、労働者への周知を徹底し、労使共同での感染予防対策の実施が急務となっています。

職場における感染予防対策
 社会経済活動を維持し、大規模な感染拡大を予防するには、個人の自主的な感染予防対策だけでは太刀打ちできません。
 新型コロナウイルス感染症の大規模な感染拡大を防止するための基本行動は、3密(密閉空間、密集場所、密接場面)が同時に重なる場を避け、事業者、労働者それぞれが、職場内外での感染防止行動の徹底について正しい知識を持って、職場や職務の実態に即しか対策に取り組むことが重要です。
 そこで、事業者においては、職場で働く人々が安全かつ安心して働くことができる環境づくりのため、従来の安全衛生法により定められた基準に加え、厚生労働省が公表している「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」や各業界団体等が公表しているガイドラインを活用し、まずは職場の状況を確認した上で、実態に即した実行可能な感染予防対策を検討することが求められます。
 具体的には①安全衛生管理体制の再確認、②換気の徹底等の作業環境管理、③職場の実態に応じた作業管理、④手洗いの励行など感染予防に関する基本的な知識も含めた労働衛生教育、⑤日々の体調管理等も含めた健康管理、などの視点での検討が必要です。
 また労働安全衛生法に基づき選任・設置された労使で構成する安全衛生委員会等との情報共有および労働衛生の担当者とも協議し、特別な配慮を必要とする高齢者や妊産婦等に対しては、産業医等の助言を得ることも大切です。なお、安全衛生委員会等が設置・選任されていない事業所においては、産業保健総合支援センターにて、メールや電話による相談、各種情報の提供等を行っているのでこちらの活用もお勧めします。
衛生上の職場の対応ルール
 事業者においては、労働者が新型コロナウイルスに感染している可能性を含む風邪症状を呈する場合、また職場に新型コロナウイルスの陽性者や濃厚接触者が発生した場合に備え、職場内の対応ルールを作成し、周知しておくことが必須になります。
 対応ルールを設けることは、労働者独自の判断で個々に行動することを防ぎ、情報を共有することで心理的ストレスを減らし、安心して働くことができる環境づくりにもつながります。
 厚生労働省による「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」、「新型コロナウイルスの陽性者等が発生した場合における衛生上の職場の対応ルール」を参考に作成し、手洗いの励行など感染予防に関する基本的な知識も含めた労働衛生教育も行った上で、周知することが大切です。
 なお、労働者が業務に起因して新型コロナウイルスに感染したものと認められる場合には、労災保険の対象となります。特に、複数の感染者が確認された労働環境で働いていた場合や顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下で働いていた場合、また医師、看護師、介護従事者等については、業務外で感染したことが明らかである場合を除き労災保険の対象となり得ます。詳しくは、厚生労働省HPに掲載されている「新型コロナウイルスに関するQ&A (企業の方向け)」を参照してください。
正しい情報の収集
 また事業者においては、国や地方自治体等のHPより常に最新の情報を収集し、必要に応じて職場の対応ルールを見直していくとともに、労働者に対して感染拡大を阻止するための新たな情報を提供していくことも求められます。
 今後も新型コロナウイルス感染症に関連して、様々な個別の労働紛争が生まれることを想定し、適切に対応できるよう、正しい知識を持って、職場や職務の実態に即した対策を確実に進めていきたいものです。