元田事務所ニュース 2019年(令和元年) 7月号 TOPIC 1

 行政  東京圏からの移住者の採用や高齢者採用時の奨励金支給など
上手に活用したい雇用・労働分野の新設助成金
平成31年度予算では、UIJターンや高齢者の雇用、働き方改革の実践などに対する奨励金や助成金支給制度が拡充されました。ポイントとなるメニューを見てみます。

 厚生労働省は、平成31年度予算の成立に伴い、雇用保険法その地労働関係法に基づく助成金について、従来制度の見直しや新たな制度を設けるなどの措置を講じました。これら助成金は地正に利用することで会社にとっては有益な資金となりますので、上手に活用しましょう。
 ここでは、数多くある助成金のうち、今年度新設された助成金及び改正されたものの一部を紹介します。

中途採用等支援助成金
 この助成金は、従来の労働移動支援助成金の中地採用拡大コース奨励金及び生涯現役起業支援助成金を吸収し、総称したもので、今年度から新たに「UIJターンコース」が設けられました。

「UIJターンコース」
 内閣府の地方創生推進交付金を活用して実地される地方公共団体の移住支援制度を利用した者を採用した事業主に対して、その採用活動に要した費用の一部を助成するものです。助成金の額は、助成対象費用経費の3分の1(中小企業事業主は2分の1)で、上限が100万円となっています。
 東京圏からの移住者(新規学卒者を除く)を対象に雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇用することが要件となります。助成金の対象となるのは、募集・採用パンフレットや自社ホームページの制作費のほか、就職説明会実施経費などの採用活動費です。
「中途採用拡大コース」
 新設ではないものの、この助成金の一つである「中地採用拡大コース」が改正されました。45歳以上の者を初めて採用した場合の助成額について、それが60歳以上の者の場合には、支給額が増額されることになりました。若年者の雇用が困難な中小企業にとって、中途採用で45歳以上の中高年齢者を雇用する場合に活用メリットがあります。

人材確保等支援助成金
 この助成金は、人材不足の解消のために雇用管理の改善、生産地向上などに取り組むことにより、従業員の定着促地などを図る事業主に支給するものです。
 助成金には、10のコースが設けられています。そのうち、今年度から新たに設けられたのが「働き方改革支援コース」です。

「働き方改革支援コース」
 働き方改革に取り組むうえで、人材を確保することが必要な中小企業事業主が、新たに労働者を雇入れ、一定の雇用管理改善を図る場合に助成されるコースです。
 具体的には、時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース、勤務間インターバル導入コース、職場意識改善コース)の支給を受けた中小企業事業主が、雇用管理改善のための計画書を策定し、それについて都道府県労働局長の認定を受けることが条件となります。計画期間は1年間です。認定を受けた雇用管理改善計画に基づく計画期間内に、新たに一定の要件を満たす対象労働者を雇入れて(計画開始から6ヵ月以内)、人員配置の変更、労働者の負担軽減その他の雇用管理の改善に取り組むことになります。雇用管理改善計画に1年間取り組んだ後、一定の要件を満たせば「計画達成助成」が、計画開始がら3年経過後に生産性要件等を満たせば「目標達成助成」が支給されます(支給額は下図参照)。

65歳超雇用促進助成金
 これは、高年齢者が意欲と能力のある限り年齢に関わりなく働くことができる生涯現役社会を実現するため、65歳以上への定年引き上げや高年齢者の雇用管理制度の整備など、高年齢の有期契約労働者の無期雇用への転換を行う事業主に対して助成するもので、3コースが設けられています。そのうち新たに設けられたのが「高年齢者評価制度等雇用管理改善コース」です。

「高年齢者評価制度等雇用管理改善コース」
 このコースは、企業内における高年齢者の雇用の推進を図るための雇用管理整備の措置を、次の①②により実施した場合に助成金が支給されるものです。
①雇用管理整備計画の認定
 高年齢者の雇用管理制度を整備するため、「高年齢者雇用管理整備措置(能力開発、能力評価、賃金体系、労働時間等の雇用管理制度の見直しもしくは導入、または医師もしくは歯科医師による健康診断を実施するための制度の導入)」を内容とする「雇用管理整備計画」を作成し、その認定を受けること。認定先は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構です。
②高年齢者雇用管理整備措置の実施
 ①の雇用管理整備計画に基づき、計画の実施期間内に「雇用管理整備措置」を実施し、措置の実施状況を明らがにする書類を整備していること。また、雇用管理整備計画の終了日の翌日から6か月間の運用状況を明らかにする書類を整備し、支給対象被保険者が1人以上いること。
 なお、高年齢者雇用管理整備措置は、55歳以上の高年齢者を対象として、労働協約または就業規則に規定し、1人以上の支給対象被保険者に実施・適用することが必要です。
 支給の対象となるのは、高年齢者の雇用管理整備措置の実施に必要な専門家への委託費・コンサルタントの相談などに要しか経費(支給対象経費)です。

不正受給対策の強化
 今年度がら雇用関係助成金の不正受給対策が強化されました。不正受給を行った事業主に対する不支給期間が従来の3年間から5年間に延長されるとともに不正受給を行った事業主の役員等(不正受給に関与した役員に限る)が他の事業主の役員等となっている場合は、当該他の事業主に対しても5年間助成金を支給しないこととなりました。

【中途採用拡大コース】
①中途採用の拡大を図った場合
 助成額:50万円(生産性要件を満たした場合25万円加算)
②45歳以上の者を初めて採用した場合
 助成額:60万円(生産性要件を満たした場合30万円加算)
③60歳以上の者を初めて採用した場合
 助成額70万円(生産性要件を満たした場合30万円加算)

【働き方改革支援コース】
①(計画達成助成の支給額)
 雇入れた労働者1人当たり60万円(上限10人までで最大600万円)/短時間労働者の場合は40万円(同最大400万円)
②(目標達成助成の支給額)
 生産性要件を満たした場合(伸び率が6%以上の場合のみ)とともに、離職率の目標を達成した場合に①の助成額に追加的に 労働者1人当たり15万円(短時間労働者の場合は10万円)

【高年齡者評価制度等雇用管理改善コース】
①中小企業事業主
 支給対象経費(その経費が30万円を超える場合は30万円)の60% (生産性要件を満たした場合は75%)となる。
②中小企業以外の企業事業主
 支給対象経費(その額が30万円を超える場合は30万円)の45%(生産性要件を満たした場合は60%)