元田事務所ニュース 2019年(令和元年) 6月号 TOPIC 2

 制度  パート・アルバイトの社会保険加入の実態や手続き
短時間労働者の社会保険加入の適用拡大
パートやアルバイトなどに対する社会保険加入の適用が拡大しています。
これにより、企業や労働者にどのような変化が起きているのでしょうか。

500人以下の事業所も
 平成28年10月から厚生年金保険の被保険者数501人以上の事業所については、下記の要件を基準に、パートタイマーやアルバイトなどについても、社会保険が適用拡大され、厚生年金保険・健康保険の適用を受けることができることになりました(特定適用事業所)。
 平成29年4月から適用範囲がさらに拡大し、厚生年金保険の被保険者数500人以下の事業所においても、下記の要件に該当するパートタイマーやアルバイトなどについても、労使合意があれば、社会保険に加入することができることになりました(任意特定適用事業所)。

 加入対象となる短時間労働者の加入4要件
 ①週の所定労働時間が20時間以上であること
 ②雇用期間が1年以上見込まれること
 ③賃金の月額が8万8000円以上であること
 ④学生ではないこと

加入への意識に変化
 社会保険の適用拡大が義務付けられた「特定適用事業所等」を対象に実施されたその影響に関する調査結果(独立行政法人労働政策研究・研修機構、平成30年2月発表)によると、適用拡大により雇用管理上、何らかの見直しを行った事業所について見ると「新たな適用を回避するため、対象労働者の所定労働時間を短縮した」という回答が66.1%、「新たな適用拡大に伴い、対象労働者の所定労働時間を延長した」が57.6%という結果でした(複数回答)。
 一方、労働者について適用拡大による働き方を見ると、「働き方が変わった」という回答が15.8%、「まだ変わっていないが今後については検討している」が22.2%、「特に変わっておらず、今後変える予定もない」が60.8%となっています。
 また、働き方が変わったとする者のうち、「社会保険が適用されるよう、かつ手取り収入が増えるよう所定労働時間を延長してもらった」という回答が54.9%、「社会保険が適用されないよう、所定労働時間を短縮してもらった」が32.7%、「社会保険が適用されるよう、かつ手取り収入が増えるよう正社員に転換してもらった」が1.1%となっています。
 このように、適用拡大により短時間労働者の社会保険加入に対する意識に変化がうかがえます。最近は、短時間労働者を採用する企業では、応募者から社会保険への加入を確認されることも増えています。

保険加入の手続き方法
 任意特定適用事業所(法人・個人を問わない)で働く短時間労働者が、社会保険に加入するにあたっては、事業主が下記の書類を添付して「任意特定事業所申出書/取消申出書」を管轄する年金事務所に提出しなければなりません。
①従業員(被保険者、70歳以上被用者および短時間労働者)の過半数で組織する労働組合の同意書(労働組合がない場合は、従業員の過半数を代表する者の同意もしくは従業員の2分の1以上の同意)
②短時間労働者の資格取得届(資格取得日は任意特定事業所該当申出書の申出日)
人手不足の現状において、会社も短時間労働者も、どのような働かせ方・働き方をするのかを十分に検討していく必要があります。