元田事務所ニュース 2018年(平成30年)8月号 TOPIC 2

制度 キャリアアップ助成金と時間外労働等改善助成金のポイント
助成金を有効活用して自社の働き方改革を促進
厚生労働省には、企業の雇用の安定や労働者の労働環境の改善に役立つ助成金の制度が用意されています。
それらを活用して、雇用や労務関係の課題解決に取り組んでみてはいかがでしょうか。

非正規労働者のキャリアアップや長時間労働の削減など「働き方改革」が注目されるなかで、それを促進することを目的とした厚生労働省の雇用助成金がいくつかあります。ここでは企業にとって活用メリットの大きいキャリアアップ助成金と時間外労働等改善助成金について、平成30年度のポイントを紹介します。

キャリアアップ助成金

 キャリアアップ助成金は、有期契約労働者や短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用の者(以下、有期契約労働者など)に対して企業内でのキャリアアップなどを促進するため、無期雇用化または正社員化したり、人材育成、処遇改善などの取り組みを行った企業に対して助成されるものです。
 この助成金には、7つのコースがありますが、そのなかでも取り組みやすく、助成額も多いのが「正社員化コース」です。「正社員化コース」は、6ヵ月以上雇用している有期契約労働者などを正社員などに転換後6ヵ月雇用すると、転換形態に応じて1人当たり次の額が支給されます。また生産性要件を満たせば増額されます
・〈有期から正規への転換の場合〉
 57万円(72万円)
・〈有期から無期への転換または無期から正規への転換の場合〉
 28万5000円(36万円)
 ※()内は生産性要件を満たした場合
 一事業年度ごとに20人を上限として支給されますので、有期契約労働者の多い業種によっては一事業年度単位に最大1140万円(生産性要件適用1440万円)と高額なものとなります。

時間外労働等改善助成金

 時間外労働等改善助成金には、4つのコースがありますが、活用しやすいのは「時間外労働上限設定コース」「職場意識改善コース」です。
「時間外労働上限設定コース」は、36協定で時間外労働の限度基準を超える特別条項協定を締結している中小企業主が対象。社内に限度時間を超える時間外労働・休日労働を複数月行った労働者がいる場合に、たとえば社会保険労務士など外部専門家によるコンサルティングを行い、時間外労働の上限目標時間を適切に設定して長時間労働を見直します。これら成果目標の達成状況に応じて、取り組み実施に要した経費助成として最大150万円(休日増別途加算あり)が支給されます。
「職場意識改善コース」も同様に、外部専門家によるコンサルティングを実施し、効率的な業務体制などの構築ができます。同コースでは、計画的な年次有給休暇の取得が可能(年間平均取得日数4日以上増)となった場合や、労務管理用機器やソフトウエアを導入し、業務量の平準化を達成することで、所定外労働時間の縮減(月平均5時間以上)ができた場合などには、その成果目標の達成状況に応じて、取り組み実施に要した経費助成として最大150万円が支給されます。
 これらの助成金の詳細は社会保険労務士に相談し、自社の働き方改革に有効に活用してください。

※生産性向上の取り組みを支援するため、助成金によっては、一定の生産性向上の伸び率(所定の算定シートで計算)を満たしている事業所に対して、助成額の割増などが行われる「生産性要件」が設定されています。