元田事務所ニュース 2018年1月号 3面 労働環境


魅力ある職場作り
年次有給休暇を取得しやすい職場

 労働力不足解消のためには採用の強化、長期雇用を考える上では福利厚生の拡充が必要であり、中でも年次有給休暇(以下「年休」という)の取得促進は、働くときは働き、休みはしっかり取るというメリハリのあるワークスタイルを確立し、労働者にも企業にも活力を与えてくれます。

年休の取得状況
 厚生労働省の公表によると、平成27年1年間に企業が付与した年休日数は労働者1人平均18.1日。そのうち労働者が取得した日数は8.8日で、取得率は48.7%となっています。
 また、同省の「『仕事と生活の調和』の実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査」によると、全体の約3分の2の労働者が、年休取得にためらいを感じていることがわかりました。

年休の仕組み
 業種、業態にかかわらず、また、正社員、パートタイム労働者等の区分に関係なく、次の要件を満たした全ての労働者に年休を与えなければなりません(労基法第39条)。
①雇入れの日から6ヵ月間の継続勤務
②全労働日の8割以上出勤
 付与日数は所定労働日数や所定労働時間、勤務年数に応じて変わります。

取得率アップのための取組み
①年休の計画的付与制度の活用
 年休の付与日数のうち、5日を超える部分は、労使協定を結べば計画的に取得させることができます。企業、事業場の実態に合わせて付与方法を工夫すると、さらに年休が取得しやすくなるでしょう。
・製造部門など操業を止めることができる事業場⇒一斉付与方式
・流通・サービス業など、定休日を増やすことが難しい事業場⇒交代制付与方式
②時間単位年休の活用
 年休は、1日単位で与えることが原則ですが、労使協定を結べば、1時間単位で与えることができます(上限は年間5日分)。
 多様化する労働者の働き方のニーズに合わせて、年休を時間単位で取得することができます。

今後の環境づくり
 平成30年4月から、キッズウィーク(地域ごとに学校の長期休業日を分散化する取組み)がスタートします。学校休業日や地域のイベントに合わせて、労働者が年休を取得しやすいよう配慮することが「労働時間等見直しガイドライン」(平成29年10月1日から適用)に盛り込まれました。
 また、政府は平成32年までに年休取得率を70%にする目標を掲げています。そのため、労働者の年休取得を企業の義務とすることが検討されています。
 年休の取得は労働者の健康と生活に役立つだけでなく、仕事の生産性向上、会社のイメージアップなど企業にとっても大きなメリットがあります。
 事業主の主導のもと取得率アップに向けた具体的方策を話し合い、ためらいなく年休を取得できる魅力ある職場作りを目指しましょう。