元田事務所ニュース 2017年8月号 3面 労働環境


魅力ある職場作り
高年齢労働者の安全と健康

 労働安全衛生法第62条は、「事業者は、中高年齢者その他労働災害の防止上その就業に当たって特に配慮を必要とする者については、これらの者の心身の条件に応じて適正な配置を行うように努めなければならない」と定めています。
 特に高年齢労働者の労働災害を防止するには、設備面の対策だけでなく、加齢による身体機能の変化への対策が必要です。

高年齢労働者の労働災害の状況
 平成28年の労働災害発生状況によると、休業4日以上の死傷者数のうち、50歳以上の占める割合は47.7%。また、死亡者数のうち、50歳以上の占める割合は55.7%となっています。

加齢に伴う心身機能の変化
1.労働と加齢・心身機能との関連
①生理的機能(特に感覚機能、平衡機能)は、早い時期から低下が始まります。
②筋力の低下は脚力で始まり、体の上方へ向かいます。
③訓練によって得た知識・技能は、長時間使用するほど維持できます。

2.加齢に伴う心身機能の変化と労働災害
 高年齢者の労働災害防止対策を講じる場合、加齢に伴う心身機能の変化を十分に考慮する必要があります。
 労働者本人が心身機能の変化を常には自覚していないため、無理な行動をしてしまうということもあります。

高年齢労働者の災害防止と健康保持
1.直接的対策
 加齢に伴い低下した身体機能に配慮した作業方法・環境となっているか、調査・検討し改善を図る必要があります。
①墜落・転落防止対策
 昇降設備の改善、安全な作業床・手すりの設置、高所作業の地上作業への置き換え等
②転倒防止対策
 段差の除去、作業床のすべり防止対策等
③視聴覚機能の補助
 全体照明・局所照明の改善、作業指示票・図面等の拡大・簡素化
 他には、重量物取扱い方法の改善、作業姿勢の改善が挙げられます。

2.間接的対策
 高年齢者対策を計画的に進めるために、管理体制を整備する必要があります。
 また、教育については、労働者本人に自身の機能を十分認識させながら、実施することが重要です。
①安全衛生管理組織、管理規程、作業手順書等の改善
 安全衛生管理規程等の改善、高年齢者向けの作業手順書の作成
②安全衛生教育の実施
 災害事例を使っての安全衛生教育等及び訓練の反復実施
 他には、高年齢者の技能・知識を生かす職務への配置、過重労働による健康障害防止が挙げられます。