元田事務所ニュース 2017年5月号 3面 労働環境

魅力ある職場作り
長時間労働の削減に向けて

 昨今、長時間労働を起因とした過労死がメディアで取り上げられ、今年の春闘では賃金に加えて長時間労働の是正が焦点となっています。
 長時間にわたる過重な労働は、脳・心臓疾患による過労死等を引き起こすのみでなく、精神障害の原因ともなります。また、「ブラック企業」のイメージがついてしまうと、会社の社会的信用の失墜にもつながります。

長時間労働の原因を探そう

 長時間労働を削減するために行わなければならないのは、労働時間が長時間になってしまう原因を突き止め、それぞれの原因に応じた対策を講じることです。
 まずは長時間労働の原因となる4つのポイントから、会社の問題をあぶりだしてみましょう。
①社員個人の仕事の進め方・意識
・仕事の進め方に無駄がある
・時間内に仕事を終わらせるという意識が欠如している
②上司のマネジメント
・部下の仕事の進め方に対する関心が希薄である
・部下への指示や指導が適切でない
・優秀な部下に仕事を集中させてしまう
③企業風土
・労働時間が長い社員ほど評価される風土がある
・有給休暇を取得しにくい雰囲気がある
④会社の仕組み
・社員の始業・終業時刻を把握しておらず、労働時間を管理していない
・長時間の会議が頻繁にあり、他の仕事を圧迫している

長時間労働の削減

【社員個人の仕事・意識と上司のマネジメントから見た場合】
 社員が所定労働時間内に仕事をするという意識を持たず、当たり前のように残業することになった結果、長時間労働になってしまう場合があります。
 このような状況に対し、上司は部下の労働時間を適切に把握し、管理を徹底して行うとともに、残業に対する部下の意識を改める必要があります。加えて、部下の能力・仕事の進め方をしっかりと把握し、具体的な指示や指導をすることが求められます。
 また、優秀な社員に仕事が集中して、その人の労働時間が長くなってしまうこともあります。その人に何かあった場合の会社が被るダメージを考慮して、他の社員へ業務を振り分けるなど、長時間労働の削減と同時にリスクマネジメントを図ることが適切な対応といえます。


【企業風土や会社の仕組みから見た場合】
 周囲が残業していることにより、定時に帰りづらいといったようなことや、有給休暇を取りづらいといった雰囲気を持った会社はまだ多く存在すると思われます。
 そのような場合は、トップ主導で「早く帰るのは良いこと」「有給休暇を取得するのは良いこと」という意識の植え付けをし、長時間労働を削減していくことが望まれます。あくまでもトップ主導というところが肝要です。
 また、長時間の会議が頻繁にあり、圧迫された他の仕事を終わらせるため、結局、長時間労働になる場合もあります。
 そのような場合は、会議のテーマを限定したり、時間を区切るなどして、会議の質に重きを置くことが望まれます。