元田事務所ニュース 2017年5月号 4面・5面 参考資料

平成28年度能力開発基本調査
「能力開発費」は増加の見込み

 厚生労働省の「平成28年度能力開発基本調査」(常用労働者30人以上の企業・事業所が対象)によると、企業が従業員の能力開発のために支出する費用(ここではOFF-JT費用)について、「今後3年間」の見込みと「過去3年間」の実績を比較すると、今後3年間は『増加予定』とする企業割合が高くなり、過去の実績に比べて正社員が12.6ポイント、非正社員が10.2ポイントそれぞれ増加したことが分かりました。

企 業 調 査
能力開発の実績・見込み
 正社員に対する過去3年間(平成25~27年度)のOFF-JTに支出した費用の実績は、『増減なし』とする企業が35.2%、『増加した』が24.8%である。
 一方、非正社員に対する過去3年間(同)のOFF-JTに支出した費用の実績は、『増減なし』とする企業が30.3%、『増加した』が10.4%である。
 また、「今後3年間」の見込みと「過去3年間」の実績を比較すると、正社員、非正社員ともに今後3年間は『増加予定』とする企業割合が高くなり、正社員では37.4%、非正社員では20.6%となっている。(下図参照)

教育訓練のための費用
 企業が教育訓練に支出した費用の労働者1人当たり平均額をみると、OFF-JTは21,000円(平成27年度調査(以下「前回」という)17,000円)、自己啓発支援は5,000円(同6,000円)となっている。

能力開発の考え方
《「全体重視」か「選抜重視」か》
 正社員に対する教育訓練について、「労働者全体の能力を高める教育訓練」を重視する企業は59.1%(前回58.6%)、「選抜した労働者の能力を高める教育訓練」は39.9%(同40.8%)である。
 一方、非正社員に対しては、「労働者全体の能力を高める教育訓練」を重視する企業は54.8%(前回53.2%)、「選抜した労働者の能力を高める教育訓練」は43.0%(同45.1%)である。
《「外部委託・アウトソーシング」か「社内」か》
 正社員に対する教育訓練の実施方法について、「社内」を重視する企業は61.8%(前回61.0%)、「外部委託・アウトソーシング」は37.1%(同38.2%)である。
 一方、非正社員に対しては、「社内」を重視する企業は74.3%(前回74.4%)、「外部委託・アウトソーシング」は23.6%(同23.7%)である。

事 業 所 調 査
教育訓練の実施状況
《OFF-JTの実施状況》
 正社員に対して、平成27年度にOFF-JTを実施した事業所は74.0%(前回72.0%)で、産業別では複合サービス事業(98.1%)、電気・ガス・熱供給・水道業(96.6%)で高く、生活関連サービス業、娯楽業(60.0%)、宿泊業、飲食サービス業(65.4%)で低くなっている。
 一方、非正社員に対してOFF-JTを実施した事業所は37.0%(前回36.6%)で、産業別では複合サービス事業(88.6%)、金融業、保険業(70.0%)で高く、生活関連サービス業、娯楽業(28.8%)、製造業(29.2%)で低くなっている。
《計画的なOJTの実施状況》
 正社員に対して、平成27年度に計画的なOJTを実施した事業所は59.6%(前回58.9%)で、産業別では複合サービス事業(93.4%)、電気・ガス・熱供給・水道業(92.3%)で高く、生活関連サービス業、娯楽業(52.3%)、卸売業、小売業(52.8%)で低くなっている。
 一方、非正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所は30.3%(前回30.2%)で、産業別では複合サービス事業(78.3%)、医療、福祉(44.1%)で高く、情報通信業(15.6%)、建設業(16.5%)で低くなっている。

人材育成に関する問題点
 能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所は72.9%(前回71.6%)。その内訳(複数回答)は、「指導する人材が不足している」(53.4%)が最も高く、「人材育成を行う時間がない」(49.7%)、「人材を育成しても辞めてしまう」(43.8%)と続いている。(下図参照)

技能継承の取組状況
 技能継承の取組みを行っている事業所は85.1%(前回83.1%)。その内容(複数回答)は、「退職者の中から選抜して雇用延長、嘱託による再雇用を行い、指導者として活用している」(63.5%)が最も高く、「中途採用を増やしている」(44.1%)、「新規学卒者の採用を増やしている」(30.4%)、「契約社員、派遣社員を活用している」(22.3%)と続いている。