元田事務所ニュース 2017年4月号 3面 労働環境

魅力ある職場作り
障害を持つ人と共に働く職場

障害者雇用の現状
 厚生労働省が公表した集計結果によると、平成28年6月1日現在、50人以上規模の民間企業に雇用されている障害者数は47万4,374人、実雇用率は1.92%と過去最高を更新したことが分かりました。
 障害を持つ人の社会参加が進み、就職を希望する人も多くなっています。しかし、障害者雇用促進法で定められている法定雇用率2.0%を達成した企業割合は48.8%と、5割を下回る結果となりました。
 障害者雇用促進法の一部改正により、平成28年4月から雇用の分野で障害者に対する差別が禁止され、合理的配慮の提供が義務となりました。また、平成30年4月から精神障害者が法定雇用率の算定基礎の対象とされるのに伴い、法定雇用率が引き上げられることになります(施行後5年間の激変緩和措置あり)。このため、今後も障害者雇用に対する企業の心構えと体制づくりが重要になると考えられます。

差別禁止と合理的配慮の提供義務
①雇用の分野での障害者差別を禁止
 募集・採用・賃金・配置・昇進・教育訓練等の各項目において、正当な理由なく、障害を理由として差別することを禁止しています。
②雇用の分野での合理的配慮の提供義務
 障害者と障害のない者との均等な機会や待遇の確保、障害者が能力を有効に発揮する上で支障となっている事情を、事業主の負担になり過ぎない範囲で改善しなくてはなりません。
 合理的配慮は、障害や職場の状況に応じて個別性が高いので、障害者と事業主がしっかりと話し合い、必要な措置を決定することが重要です。

 対象となる事業主は、企業規模に関わらずすべての事業主であり、規定に定める障害者は、障害者手帳を所持していない者も含まれる点に注意が必要です。

障害者を雇用する際の留意事項
 雇用側と求職側がそれぞれ抱く不安を取り除き、障害を持つ人が働ける環境をつくるためには、以下のような点に留意する必要があります。
①能力に適した職域の開発と配置、職場環境 の改善に取り組むこと
②十分な教育訓練の時間を確保すること
③障害の特性に応じた安全管理や、労働時間管理の実施を進めること
④職場内での支援体制を確立すること
⑤職場内で障害者や障害に対して理解を深め、意識啓発に努めること

障害者雇用の今後
 法定雇用率の上昇を見据え、雇用率達成のために障害者雇用を急ごうとする企業の増加が予想されます。しかし、事業主は個々の障害者の能力や特性を十分に理解した上で、雇用を積極的かつ丁寧に進めることが不可欠です。
 また、そこで一緒に働く人々の理解と支援、少しの気遣いが、障害を持つ人が安心して働ける職場づくりには欠かせないのではないでしょうか。