元田事務所ニュース 2017年3月号 3面 労働環境

魅力ある職場作り
仕事と介護の両立支援

介護離職の現状等
 総務省の「就業構造基本調査」(平成24年)によると、平成23年10月~24年9月の1年間だけでも、介護等を理由に離職した人が10万人以上という結果が出ています。そして今後、要介護者を支えなければならない就業者(15~64歳の世代)が急増することも予想されています。
 この様な状況を受けて、平成29年1月、特に介護休業について大幅に改正された改正育児・介護休業法が施行されました。
 育児と介護の両立を支援する上で、次のような課題の違いがあります。子育てには子供の小学校入学・卒業といった区切りのタイミングがある一方、親の介護は何年必要になるか終わりが見えないことも多く、就業者にとって、今後の見通しが立てにくいことが挙げられます。また、自分の親の介護が必要になる頃には、本人は40~50歳代の中堅・管理職クラスの社員であることが多く、仕事と介護の両立が困難になる場合も予想されます。

介護に直面している従業員への支援
 厚労省の「企業における仕事と介護の両立支援実践マニュアル」(平成28年)では、企業に求められる従業員の仕事と介護の両立支援への具体的な取り組み方法を紹介しています。その中で、介護に直面した従業員への支援として以下6項目が挙げられています。
①相談窓口での両立課題の共有
 両立する上での課題を、従業員本人と共に整理します。
②企業の仕事と介護の両立支援制度の手続き 等の周知
 自社の両立支援制度について、具体的な利用方法や手続きをアドバイスします。特に、介護休業は復帰後の準備期間としてうまく利用してもらえるよう伝えます。
③働き方の調整
 休業や休暇を取るだけでなく、残業の削減や、変形労働時間制の導入、在宅勤務制度の活用、就労時間帯の調整等働き方を検討した上で、仕事の分担や役割について見直します。
④職場内の理解の醸成
 両立するためには、職場の上司や同僚に理解を得て、サポート体制を作ることも重要です。
⑤上司や人事による継続的な心身の状態の確認
 介護は長期にわたる可能性があります。人事や上司が継続的に見守り、両立の状況について確認することが重要です。
⑥社内外のネットワーク作り
 働きながら介護をする人たちは、地域などのネットワークに参加できる機会が少なくなりがちですので、企業がサポートすることも有効です。

助け合えることを伝えましょう
 仕事と介護の両立は、従業員個人だけで解決できるものではありません。人事担当者は、気軽に相談できる環境を作り、介護保険制度や自治体、民間の介護サービス等の情報を提供するなど、頼れるところに頼ることも必要であることを伝えましょう。
 従業員が充実した職業生活を送ることができるよう支援して行くことで、会社全体が助け合える職場へ変わることが両立支援の一歩になるのではないでしょうか。