元田事務所ニュース 2017年2月号 6面 労務管理

トラブル回避の対応術
パートの休日出勤と割増賃金の考え方は

 当社ではパートタイマーを数名雇用しています。年末業務が忙しくなり休日出勤をさせたので、労働時間分の休日手当を支給しましたが、パートの1人から割増しがついていないと指摘されました。
1日8時間は超えてないのですが、割増賃金は必要でしょうか。また、パートタイマーに休日出勤をさせるのは無理なのでしょうか?


パートの時間外労働等の割増賃金

 労働基準法では、使用者は労働者に、原則として1日8時間、1週40時間を超えて労働させてはならないと定めていて、法定労働時間を超えて労働をさせる場合や、原則1週1日の休日(法定休日)に労働をさせる場合には、時間外労働・休日労働に関する労使間の協定(通称「三六協定」)の締結・届出がなされていることと、割増賃金の支払いが必要となります。時間外労働をさせた場合は、原則として通常の賃金額の2割5分以上(*)、休日労働をさせた場合は3割5分以上の割増賃金を支払わなければならないとしています。
(*)1ヵ月60時間を超える場合、超えた時間に対 しては5割以上。ただし、一定規模以下の中小企業は、当分の間60時間を超える割増率につ いては適用除外とされている。
 パートタイマーであっても、労基法の時間外労働・休日労働の定めが適用されます。一般にパートタイマーは通常の労働者よりも短い労働時間で雇用されますが、すべての残業や休日出勤が法定の時間外労働や休日労働にあたるかというと、そうではありません。
 たとえば、1日6時間、週5日勤務のパートタイマーに、2時間の残業を一命じたとしても、1日8時間の法定労働時間の範囲ですので、その2時間分は通常の賃金を支払えばよく、三六協定の締結や割増賃金の支払いがなくても違反とはなりません。
 休日出勤をさせた場合でも、1日8時間を超えず、その週の労働時間が40時間を超えない範囲での休日出勤であって、その週に1日以上の休日が確保されていれば、基本的には時間外労働や法定休日労働の割増賃金を支払う義務はありません。
 ただし、パートタイマーの就業規則や雇用契約書などに残業や休日出勤をしたときの割増賃金を定めている場合は、それに従うことが必要です。また、パートタイマーに休日出勤をさせた場合で、その週の労働時間が40時間を超えていれば、超えた時間については割増賃金の支払いが必要となります。

パートに休日出勤をさせるためには

 パートタイム労働者であっても、業務上の都合によっては休日出勤を命じることも可能です。ただし、そのためには、雇用契約書や就業規則などに残業や休日出勤があることの定めが必要です。
 また、パートタイム労働者の場合には、家庭の事情などから短時間労働を選んでいる場合があります。そのため、使用者としては、採用の段階で残業や休日出勤が可能かどうかの確認をするとともに、どのような場合にそれを命じることがあるのか具体的に説明するなど事前に理解を得ておくことや、負担を軽減できるように振替休日を活用するなどの配慮も必要となるでしょう。