元田事務所ニュース 2017年1月号 4面~5面 参考資料

賃金引上げ等の実態に関する調査
賃上げ実施、前年を上回る

 厚生労働省の「賃金引上げ等の実態に関する調査」(常用労働者100人以上の企業が対象)によると、8月時点で、平成28年中に1人平均賃金(1カ月当たりの1人平均所定内賃金)の「引上げ」を実施したまたは予定していると回答した企業の割合が86.7%と前年よリ1.3ポイント上昇し、比較可能な平成11年以降で最高を更新したことが分かりました。


賃金の改定の実施
 平成28年中に1人平均賃金を「引き上げた・引き上げる」と回答した企業は86.7%(前年85.4%)、「引き下げた・引き下げる」は0.8%(同1.2%)、「賃金の改定を実施しない」は7.1%(同8.4%)で、前年に比べて、1人平均賃金を「引き上げた・引き上げる」企業は1.3ポイント上昇し、「引き下げた・引き下げる」企業は0.4ポイント、「賃金の改定を実施しない」企業は1.3ポイントそれぞれ低下した。
※産業別に関しては下表を参照

賃金の改定額および改定率
 平成28年中の賃金の改定状況(9~12月実施予定を含む)をみると、1人平均賃金の改定額は5,176円(前年5,282円)、改定率は1.9%(同1.9%)となった。
 また、改定額を産業別にみると、「建設業」が7,986円(前年7,370円)で最も高く、次いで「不動産業、物品賃貸業」が6,822円(同6,381円)、「鉱業、採石業、砂利採取業」が6,527円(同5,561円)、「情報通信業」が5,986円(同5,213円)、「製造業」が5,667円(同5,980円)などとなった。
 反対に最も低かったのは「金融業・保険業」の2,494円で、前年(7,603円)の3分の1以下となった。

定期昇給(定昇)、ベースアップ(ベア)の実施状況
「定昇制度」の有無をみると、管理職の「定昇制度あり」の企業は73.9%(前年76.3%)で、このうち、平成28年中に定昇を「行った・行う」が68.1%(同69.9%)、定昇を「行わなかった・行わない」が5.0%(同6.1%)となった。
 一方、一般職では、「定昇制度あり」の企業は82.2%(前年83.1%)で、このうち、平成28年中に定昇を「行った・行う」が78.4%(同77.6%)、定昇を「行わなかった・行わない」が3.3%(同5.5%)となった。
※産業別に関しては右表を参照
 また、定昇制度がある企業について、「定昇とベア等の区別あり」の企業は、管理職で57.8%(前年58.5%)、一般職で58.9%(同61.2%)となった。
 このうち、平成28年中に「ベアを行った・行う」企業は、管理職で17.8%(同20.5%)、一般職で23.3%(同25.0%)となった。

賃金カットの実施状況
 平成28年中に賃金カットを実施したまたは予定していると回答した企業は10.7%(前年9.5%)で、その対象者別にみると、「管理職のみ」は40.3%(同28.1%)、「一般職のみ」は17.4%(同11.7%)、「管理職一部」と「一般職一部」は35.8%(同39.8%)、「管理職全員」と「一般職全員」は2.4%(同12.2%)となった。
 対象者別に賃金カットの内容をみると、管理職では、「基本給のみ減額」が、管理職一部で34.5%(前年35.8%)、管理職全員で9.5%(同27.5%)と最も多くなった。
 また、一般職については、「基本給のみ減額」が、一般職一部で37.5%(前年38.8%)と最も多く、一般職全員では「諸手当のみ減額」が1.3%(同1.7%)と最も多くなった。

賃金の改定事情
 平成28年中に賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素をみると、「企業の業績」と回答した企業が51.4%(前年52.6%)と最も多く、次いで「労働力の確保・定着」が11.0%(同6.8%)、「親会社または関連(グループ)会社の改定の動向」が5.9%(同5.4%)、「雇用の維持」が4.6%(同5.0%)などとなった。