元田事務所ニュース 2016年12月号 表紙

東京高裁が一審判決取り消し
再雇用後の賃金減額、一定の合理性を認める

 定年退職後に運送会社(横浜市)に再雇用されたトラック運転手3人が、正社員と同じ仕事内容なのに賃金に差があるとして是正を求めた訴訟で、東京高裁は11月2日、原告が勝訴した一審(東京地裁)の判決を取り消しました。
 判決で裁判長は、定年後再雇用で変わらない仕事内容でも、一定程度の賃金の減額は社会的に容認されているとし、「企業が若年層を含む雇用を確保し労働者全体の安定雇用を図る必要性などを考慮すると、減額には一定の合理性がある」と指摘しました。
 そのうえで、「引き下げ幅が年収ベースで2割程度と同規模の企業の減額率を下回っていて、直ちに不合理とは認められない」という判断を示しました。

【一審判決の要旨(東京地裁:平成28年5月14日)】
 業務内容が同じなのに賃金が異なるのは不合理だとして、正社員と非正社員の不合理な待遇の違いを禁じた労働契約法に違反すると判断。正社員との賃金の差額計約400万円を支払うよう、運送会社に命じました。


違法な長時間労働の疑い
労働局「かとく」が電通を強制捜査

 東京労働局の過重労働撲滅特別対策班(通称:「かとく」)は11月7日、大手広告会社の電通(東京・港区)が、複数の社員に対して違法な長時間労働をさせていた疑いが強まったとして、本社の強制捜査に入りました。これにあわせて、大阪など3支社にも捜査が入っています。
 電通では、女性社員(当時24歳)が昨年12月、過労などが原因で自殺し、労災が認められていました。東京労働局では、この女性社員の実際の労働時間が申告で記録された労働時間を大きく上回っていたことから、他の社員にも労使協定の上限を超えて労働させていた労基法違反の疑いがあると判断。特別対策班による強制捜査で勤務記録などの資料を押収して、労務管理の実態を詳しく調べ、違反があれば刑事事件として書類送検する方針だとしています。