元田事務所ニュース 2016年10月号 3面 安全・労働衛生

職場の安全&衛生
産業用ロボットと安全対策

産業用ロボットとは

 ロボットというと、一般的には鉄腕アトムや二足歩行型のアシモなどを思い浮かべるかもしれませんが、今回は労働安全衛生法の規制の対象となる産業用ロボットについて見ていきたいと思います。
 産業用ロボットは、現在、自動車などの溶接・塗装、電気製品の組立、部品の搬送などの用途で、工場の自動化ライン等で使用されています。
 また、産業用ロボットは、大企業だけではなく、中小企業でも導入され、重量物の運搬や危険で有害な物質を扱う作業を人の代わりにやってくれることから産業の現場ではとても重宝され、機械に名前まで付けて親しんでいるところもあります。

産業用ロボットで発生する災害

 このように現在では便利で役に立っことで普及している産業用ロボットですが、便利な面だけではなく、使い方によっては事故が起こり、死亡災害となることもあります。
 産業用ロボットに起因する労働災害の発生状況(平成15年~24年の10年間)では、休業4日以上の死傷者数は372人で、そのうち死亡者数は26人となっています。そして、この死亡災害の多くは、産業用ロボットの稼働中に、柵、囲いの中に立ち入り、挟まれたことが原因となっています。

安衛法で規制される産業用ロボット

 このように危険な面もあることから、国は昭和58年7月に労働安全衛生規則を改正して産業用ロボットを規制しています。
 規制対象とされた産業用ロボットは、「記憶装置の情報に基づき、マニプレータの伸縮、屈伸、上下・左右移動、旋回の動作を自動的に行うことができる機械」と定義されています。このマニプレータというのは、人間の腕に相当するアームが機械本体の外部に取り付けられて、アームの先端部(人間でいえば手)で物をつかんだり、道具を持って作業するもので、これが産業用ロボットの大きな特徴と言えます。

産業用ロボットの安全対策

 前記のとおり、産業用ロボットの可動範囲で作業を行うと、作業者が産業用ロボットに挟まれる危険があるため、安全確保の観点から以下の対策を取ることになっています。
①柵、囲いの中での作業時の安全対策
 柵、囲いの中に入り、機械の近くで、機械の動作の教示(ティーチング)等を行う場合には、以下の措置が必要となります。
ア 作業を行う労働者に対する安全教育
イ 誤操作の防止、異常時の対応
・マニュアルの作成・遵守(操作方法などについて)
・異常時に運転を停止することができる措置(すぐに停止できるスイッチなど)
・ランプの点灯などにより、他の労働者による操作を防止する措置
ウ 異常作動を防止する措置
・作業開始前の異常の点検など
②通常運転時の安全対策
 労働者に危険が生ずるおそれのあるときは、柵、囲いを設けるなどの措置が必要となります。

産業用ロボットの安全対策の実行

 このように産業用ロボットの安全対策を講じて使用することで、真に役立っ機械となると言えます。