元田事務所ニュース 2016年08月号 3面 安全・労働衛生

職場の安全&衛生
衛生委員会の役割

注目されている衛生委員会

 昨今、衛生委員会は注目を浴びる存在になっています。昨年12月から施行されているストレスチェックにおいても、衛生委員会はストレスチェックの実施体制、実施方法、受検の有無の情報の取扱い、結果の記録の保存方法等を審議することとされていますが、これは、ストレスチェックを実施していく上で根幹的事項と言えます。
 また、厚生労働省が最も力を入れている施策の一つである過重労働対策についても、衛生委員会の重要な調査審議事項とされています。
 さらに、大阪市内の印刷会社で労働者らに胆管がんが多発した問題で、会社に衛生委員会が設置されていれば、胆管がんの発症を早期に把握できていた可能性があるという批判がされ、この問題を通して衛生委員会の存在が改めてクローズアップされたところです。
 このように注目されている衛生委員会は、心身の健康問題が多く取り上げられる今の時代、その存在意義がより増している状況にあると思われます。ただ、そのような状況になっている衛生委員会も、まず設置されていること、そして、その役割をしっかり果たしていることが重要ですので、今回は、改めて設置基準や役割について見てみたいと思います。
【設置の基準】
 衛生委員会は、常時使用する労働者が50人以上の事業瘍に設置しなければなりません。安全委員会と異なり、この要件があてはまる全ての業種に設置義務があります。
【委員の構成】
 衛生委員会のメンバーは、①総括安全衛生管理者またはそれ以外の者で、当該事業場において事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者1名(議長)、②衛生管理者、③産業医、④労働者(衛生に関する経験を有する者)とされています。ただし、①以外の委員の半数については、労働者の過半数で組織する労働組合(無い場合には労働者の過半数代表)の推薦に基づいて指名しなければならないとされています。
【主な役割―調査審議事項】
①衛生に関する規程の作成に関すること。
②衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関すること。
③衛生教育の実施計画の作成に関すること。
④定期健康診断等の結果に対する対策の樹立に関すること。
⑤長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること。
⑥労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること。
【開催回数等】
 衛生委員会は毎月1回以上開催することとされ、委員会における議事の概要を労働者に周知し、議事録は3年間保存する必要があるとされています。

実効ある存在に

 以上見てきたとおり、衛生委員会は、労働者が心身の健康を保つために重要な役割を持っています。ですので、設置するだけではなく、その役割となっている調査審議を実施実行して、その存在を実効あるものにしていくことが望まれます。