元田事務所ニュース 2016年08月号 4面~5面 参考資料

人手不足等への対応に関する調査
5割超の中小企業で人手不足

 このほど日本商工会議所が発表した「人手不足等への対応に関する調査」によると、調査対象(2,405社)の中小企業のうち、今春、「人手が不足している」と回答したのは55.6%と前年調査よリ5.3ポイント上昇し、人手不足感が強まっていることが分かりました。

人手不足の状況
 全体では、55.6%と半数以上の企業で人手が「不足している」と回答。前年調査よりも「不足している」と回答した割合が5.3ポイント上昇している。
 業種別では、「宿泊・飲食業」の不足感が最も高く、79.8%の企業が「不足している」と回答。次いで「介護・看護」(77.5%)、「運輸業」(72.3%)、「建設業」(63.3%)などとなっており、その他の業種においても人手不足の状況が高まっている。(下図参照)
 また、従業員の規模でみると、「6~10人」および「51~100人」の企業で、前年調査と比較して10ポイント以上人手不足感が高まっている。

求める人
 求める人材(複数回答)としては、「一定のキャリアを積んだミドル人材」が69.0%で最も高く、次いで「高校卒業新卒社員」41.2%、「大学卒業新卒社員」33.0%、「管理職経験者等のシニア人材」15.2%などとなっている。
 また、すべての業種で「一定のキャリアを積んだミドル人材」が最高値となっており、「介護・看護」(80.6%)、「金融・保険・不動産業」(77.3%)、「建設業」(75.3%)などとなっている。

女性の活躍推進
 「実施している」(40.0%)と「実施を検討している」(21.5%)を合計すると、61.5%の企業で女性の活躍推進について対応を講じている。
 業種別にみると、「介護・看護」(77.5%)で最も「実施している」割合が高く、次いで「情報通信・情報サービス業」(59.6%)、「金融・保険・不動産業」(55.1%)、「宿泊・飲食業」(50.4%)などとなっている。
 また、女性の活躍を推進する上での課題(複数回答)としては、「女性の職域が限定されている」(38.6%)が最も高く、次いで「女性の応募が少ない(女性社員が少ない)」(31.7%)と続く。
 一方、「女性が管理職登用を望んでいない」(23.0%)といった項目もあり、女性社員の意識も課題となっている。

65歳超の雇用延長
 現在、65歳超を雇用している企業は70.1%となっている。
 一方、「すでに65歳超の者を雇用しているが、義務化は反対」(30.1%)、「65歳までは雇用できるが、それ以上の対応は難しい」(27.1%)といった意見の合計は57.2%となり、一律の雇用延長には慎重な対応が求められる結果となった。
 また、65歳超まで雇用できない理由(複数回答)としては、「本人の体力的な面で難しい」(66.5%)が最も高く、次いで「若い年齢層の採用の阻害になる」(47.6%)、「生産性が低下する」(37.3%)などとなっている。

ICT(情報通信技術)を活用した業務の効率化に向けた取組み
 ICT(*)化に向けた取組みについて、59.7%の企業が実施している。
 業種別にみると、「情報通信・情報サービス業」(85.1%)、「金融・保険・不動産業」(79.6%)で取組みが進んでいる一方、「運輸業」、「宿泊・飲食業」、「製造業」では取組みが進んでいない割合が高い結果となった。
*顧客情報をデータべ-ス化したり、出退勤の管理や給与計算のシステムを一元化したりする取組み

長時間労働削減に向けた取組み
 長時間労働削減に向けた取組みは、73.8%の企業が実施している。
 業種別にみると、「金融・保険・不動産業」では85.7%の企業が取り組んでいるのに対して、「建設業」では66.3%となっており、業種の違いによって差が顕著である。
 また、長時間労働削減に向けた取組みが進まない理由(複数回答)としては、「仕事に偏りがあるため」(35.2%)、「業種・業界特性からの外部要因」(34.9%)が高い結果となった。(上図参照)

「同一労働同一賃金」について
 賃金を決定する際に考慮する項目(複数回答)として「合理性がある」と考えられるものとしては、「責任」(76.9%)、「本人の生産性」(76.7%)が高い結果となった。
 一方、労使紛争で賃金差の理由を求められた場合、「立証が難しい」と考えられる項目(同)については、「本人の生産性」(47.0%)が最も高く、次いで「将来の役割への期待」(43.3%)、「責任」(37.5%)と続く。「合理性がある」と考えるものの、「立証が難しい」と思われる項目が重なっている。