元田事務所ニュース 2016年07月号 3面 安全・労働衛生

職場の安全&衛生
夏季の労働災害防止と健康管理

今年の夏
 梅雨が明けると一気に暑い日が増え、最高気温が30℃以上の真夏日や、35℃以上となる猛暑日が続くものと思われます。
 日本気象協会では今年の夏について、関東から東海でかなり暑く、近畿以西も普段より暑いと予報しています。また、近年は上空を流れる偏西風の南側を中心に高温傾向となり、さらに、太平洋赤道域の海面水温が高い影響で、大気全体の温度が高く、暑い夏になりやすいと言われています。
 そこで、今回はこの暑い夏における労働災害及び健康障害の防止の観点から、何に気を付ければよいかを見ていきたいと思います。

夏季に起こる災害のメカニズムと健康障害
 暑くなると人は体調不良になりやすく、また、作業時における注意力が低下しがちになります。このような状態においては、ヒューマンエラーが誘発されやすくなります。
 例えば、暑さのため睡眠不足になって大量の汗をかき疲れやすくなることで、注意散漫となり、通常では行わないような行動をしたり、また、行わなければならない確認を怠ったりします。特に屋外での作業を行う業種では直接暑さを体感しますので、集中力、注意力が低下するリスクが高いと言えます。
 また、熱中症による健康障害も考えなくてはなりません。熱中症は、高温多湿な環境下において、体内の水分及び塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称です。症状は、めまい・筋肉痛・頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・意識障害・手足の運動障害等が現れ、重症になると死に至ります。
 特に発症リスクが高いのは、高齢者や睡眠不足・前日の飲酒・肥満の人、糖尿病・高血圧・心臓疾患・精神神経疾患等で治療中の人、下痢・脱水症状のある人などと言われています。このような人が職場にいたら熱中症の発症リスクが高いので、気をつけることが必要です。

夏季の災害防止対策と健康管理
 夏季における労働災害の発生を防止するためには、社員一人ひとりが自己の体調管理を怠らないようにし、また、管理者は社員の体調を把握し、ミーティングや巡視の回数を増やして不安全行動に陥らないようチェックをすることが必要です。
 また、熱中症対策としては、労働衛生の3管理の徹底が必要です。作業環境管理としては、熱中症指標計等によりWBGT(暑さ指数)測定を行い、水分や塩分を補給する物を備え付け、冷房を備えたまたは日陰などの涼しい休憩場所を設けること、作業管理としては、作業休止時間や休憩時間を確保し、作業の前後、作業中の定期的な水・塩分の摂取を指導すること、健康管理としては、発症リスクの高い人に注意し、労働者の健康状態等の確認を日頃より行うことなどです。

しっかりした対策を
 今年の夏も暑くなることを覚悟しそれに備えた対策をしっかり講じて、暑い夏を乗り切っていきましょう。