元田事務所ニュース 2016年07月号 6面 労務管理

トラブル回避の対応術
無期転換ルールの特例を利用するには

 当社でほ、60歳定年後の再雇用制度を導入していますが、大材確保の必要性から、最長65歳までとしていた雇用年齢を段階的に68歳まで延ばすことを検討しています。
 再雇用後は1年ごとの契約期間を設けていますが、最近の法改正で有期契約を繰り返す場合に無期契約へ転換させなければならないしくみができて、さらに高齢者にはこれが適用されない特例が設けられたと聞いています。このしくみについて教えてください。また、当社の再雇用制度では特例を利用できるのでしょうか?


「無期転換ルール」とは
 平成25年4月に施行された改正労働契約法により、同一の使用者と労働者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて繰り返し更新された場合に、労働者からの申込みがあれば、使用者はその労働者を無期労働契約に転換させることが必要となりました。これが「無期転換ルール」と呼ばれているものです。
 通算される契約期間のカウントは、平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象です。通算期間が5年を超えることとなる契約期間の初日から末日までの間に無期転換の申込みをすることができますが、その期間中に申込みをしなかったときは、次の更新以降でも申込みができることになっています。
 申込みがあれば、使用者がそれを承諾したものとみなされて無期労働契約がその時点で成立し、無期に転換されるのは、申込み時の有期労働契約が終了する翌日からとなります。
 また、転換した無期労働契約の労働条件(職務内容、賃金、労働時間など)は、就業規則や個別の労働契約などで別段に定めていない限り、直前の有期労働契約と同一となります。

継続雇用の高齢者の特例
 一方、平成27年4月から施行された「有期雇用特別措置法(通称)」では、次の①および②の労働者に関しては、無期転換ルールの適用についての特例が設けられました。
①高度な専門的知識等を有する有期雇用労働者(高度専門職)
②定年後引き続き雇用される有期雇用労働者(継続雇用の高齢者)
 これらの労働者がその能力を有効に発揮できるよう、事業主がその特性に応じた適切な雇用管理を実施する場合には、無期転換申込権発生までの期間に関する特例が適用されることとなりました。
 特例が適用されるためには、事業主は、それぞれの特例の対象労働者に関して、能力が有効に発揮されるような雇用管理に関する措置についての計画を作成し、都道府県労働局に提出したうえで、計画が適切であるとの認定を受けなければなりません。
 ②の継続雇用の高齢者の場合、計画の認定を受ければ、その事業主に定年後引き続いて雇用される期間は、無期転換を申し込む権利が発生しないことになります。ただし、有期労働契約の締結・更新の際に、無期転換ルールに関する特例が適用されていることを対象者に明示する必要があります。