元田事務所ニュース 2016年05月号 4面~5面 参考資料

平成27年度能力開発基本調査
教育訓練は「労働者全体」を重視


 このほど厚生労働省が発表した「平成27年度能力開発基本調査」(常用労働者30人以上の企業・事業所が対象)によると、従業員の教育訓練について、「選抜した労働者」よりも「労働者全体」の能力を高めることを重視する企業の割合が、正社員、非正社員ともに高い傾向にあることが分かりました。

企業調査

教育訓練費

 企業が教育訓練に支出した費用の労働者1人当たり平均額をみると、OFF-JTは17,000円(平成26年度調査(以下「前回」という)14,000円)、自己啓発支援は6,000円(同6,000円)となっている。

能力開発の考え方

《「全体重視」か「選抜重視」か》
 正社員に対する教育訓練について、「労働者全体の能力を高める教育訓練」を重視する企業は58.6%(前回59.6%)、「選抜した労働者の能力を高める教育訓練」は40.8%(同39.4%)である。
 一方、非正社員に対しては、「労働者全体の能力を高める教育訓練」を重視する企業は53.2%(前回53.7%)、「選抜した労働者の能力を高める教育訓練」は45.1%(同44.1%)である。(下図参照)

《「外部委託・アウトソーシング」か「社内」か》
 正社員に対する教育訓練の実施方法について、「社内」を重視する企業は61.0%(前回63.9%)、「外部委託・アウトソーシング」は38.2%(同35.0%)である。
 一方、非正社員に対しては、「社内」を重視する企業は74.4%(前回75.8%)、「外部委託・アウトソーシング」は23.7%(同21.6%)である。

能力開発の実績・見込み

 正社員に対する過去3年間(平成24年度~26年度)のOFF-JTに支出した費用の実績は、『増減なし』とする企業が35.4%、『増加した』が24.8%である。
 一方、非正社員に対する過去3年間(同)のOFF-JTに支出した費用の実績は、『増減なし』とする企業が32.7%、『増加した』が9.6%である。
「今後3年間」の見込みとして、『増加予定』とする企業が、正社員では35.4%、非正社員では20.5%となっている。


事業所調査

教育訓練の実施状況

《OFF-JTの実施状況》
 正社員に対して、平成26年度にOFF-JTを実施した事業所は72.0%(前回72.4%)で、産業別では複合サービス事業(96.1%)、金融業、保険業(94.3%)で高く、生活関連サービス業、娯楽業(53.9%)、宿泊業、飲食サービス業(65.0%)で低くなっている。
 一方、非正社員に対してOFF-JTを実施した事業所は36.6%(前回34.0%)で、産業別では複合サービス事業(81.1%)、金融業、保険業(69.7%)で高く、製造業(26.2%)、生活関連サービス業、娯楽業(30.1%)で低くなっている。

《計画的なOJTの実施状況》
 正社員に対して、平成26年度に計画的なOJTを実施した事業所は58.9%(前回62.2%)で、産業別では電気・ガス・熱供給・水道業(89.7%)、複合サービス事業(88.3%)で高く、生活関連サービス業、娯楽業(45.2%)、教育、学習支援業(46.9%)で低くなっている。
 一方、非正社員に対して計画的なOJTを実施した事業所は30.2%(前回31.1%)で、産業別では複合サービス事業(72.0%)、金融業、保険業(45.8%)で高く、建設業(15.1%)、情報通信業(19.5%)で低くなっている。

人材育成に関する問題点

 能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所は71.6%(前回75.9%)で、問題点の内訳(複数回答)は、「指導する人材が不足している」(53.5%)が最も高く、以下、「人材育成を行う時間がない」(49.1%)、「人材を育成しても辞めてしまう」(44.5%)、「鍛えがいのある人材が集まらない」(29.1%)と続いている。(下図参照)

技能継承の取組状況

 技能継承の取組みを行っている事業所は 83.1%(前回83.8%)で、その内容(複数回答)としては、「退職者の中から必要な者を選抜して雇用延長、嘱託による再雇用を行い、指導者として活用している」(48.3%)が最も高く、以下、「中途採用を増やしている」(38.3%)、「新規学卒者の採用を増やしている」(30.9%)、「特別な教育訓練により、若年・中堅層に対する技能・ノウハウ等を伝承している」(22.3%)と続いている。