元田事務所ニュース 2016年02月号 3面 安全・労働衛生

職場の安全&衛生
機械包括安全指針

機械災害と指針
 機械設備による労働災害は、死傷災害については全体の約4分の1を占め、死亡災害については約3分の1を占めています。災害が発生するのには、機械の安全対策が十分でなかったことによるものが少なくありません。
 そこで、国はこのような機械による労働災害の減少を図るため平成13年6月に「機械包括安全指針」を公表し(平成19年7月改正)、すべての機械に適用できる包括的な安全確保の方策に関する基準を示しています。ここでは、機械メーカー、ユーザーの両者に対してそれぞれ実施すべき事項を示しています。
 今回は、この指針による機械の安全化の進め方を見ていきたいと思います。

機械メーカーの実施すべき事項
①機械のリスクアセスメントの実施
 まず、機械の設計段階でリスクアセスメントを行い、機械の危険性または有害性を特定し、リスクを見積もります。リスクに応じた保護方策を実施し、適切なリスク低減を行います。
 この際、機械の本来の使い方だけでなく、予見可能な誤使用やトラブル処理時のリスクも考慮する必要があります。
②リスクアセスメントの結果に基づく保護方策の実施
 機械の本質的な安全化を進める上で、設計・製造段階で機械の安全化を図ることが根本的対策として最も効果的です。機械を操作する者に頼らない安全方策を優先して実施することが重要です。
③残留リスクとその対処
 前記の設備対策を講じた後に存在する残留リスクについては、残留リスクの内容とその対処法についての必要な情報を、「使用上の情報」としてユーザーに提供することが大事です。

機械ユーザーの実施すべき事項
①リスクアセスメントの実施と残留リスクの対処
 メーカーから提供された「使用上の情報」を活用してリスクアセスメントを行い、「使用上の情報」に記載のあった事項以外も含めて必要な保護方策を実施し、リスクが適切に低減されたことを確認します。ユーザーでの設備対策を講じた後でも「残留リスク」が存在することが考えられますので、ユーザーにおいては、作業手順書の作成や労働者に対する教育訓練を行った上で機械を使用することが必要です。
②メーカーに対する情報提供の要求
 メーカーからリスクアセスメントを実施する上で必要な情報が提供されない場合は、メーカーに情報の提供を要求することも必要です。また、メーカーに機械を発注する段階で安全に関する仕様をメーカーに提示するとともに、使用開始後に判明した安全に関する情報をメーカーにフィードバックすることも機械の安全化のためには必要とされています。

指針に基づく措置の実行を
 以上、メーカー、ユーザーの両者が、指針に基づく措置を実行することが何よりも大事です。両者が確実にそれぞれの措置を実行することにより、機械の安全化が図られることになるからです。