所長コラム 2008/10

- 親孝行と社会保障 -

 私の父親世代(戦前、戦中派)を見ると、どこでも子沢山で兄弟姉妹が7人も8人もいます。
なぜか? 調べたり話を聞いたりしてみると、当時は医療水準も低く、今みたいに健康保険制度はなくて、また 貧乏人の子沢山家庭では当然のことながら高額の医療費が払えなかったため医者にもかかりにくく、流行り病などにより兄弟のうちの何人かは成人を待たずに死んでしまっていた。その結果 それを見越して子供を数多くもうけていたらしいのです。 私の両親の兄弟も幼児の頃、何人も亡くなっています。
しかし 子沢山の理由は他にもあったのではないでしょうか?
それは自分の老後の頼りとしての子供、生活保障としての子沢山、大方の国民には年金制度などもなく、自分の老後の頼りは子供しかなかったのでそのための子沢山だった。(つまり年金)

 しかし戦後 医療技術の発達により、子供の死亡率が大幅に低下した結果、子供は少なく生んで済むようになった。(勿論、少子化は子供に係る教育費の高騰など他にも理由がある。)
また 年金制度の拡充?により、老後の頼りが子供から年金へ責任分担されてきた。
社会保障制度が発達した結果、少子化になり、また核家族化がすすみ、家族の関係が希薄化して親孝行の意味も変っていく。

それでは 医療制度が崩れ、年金制度が覚束なくなれば少子化は解消されるか?  なんとも皮肉に時代は廻る。


- 今月の名言 -
この世に、よくできる子とできない子がいるのではない。学習の早い子と遅い子がいるだけだ。
(ルソ―)
平成20年10月01日