所長コラム 2007/5

― 何のために働くか ―

 アメリカの臨床心理学者でフレデリック・ハーズバークという人がいます。彼は人間の動機づけについて研究し、これを、「動物的欲求あるいは経済的欲求」と「心のもっと深くにある向上心を満たす欲求」とに分け、 そして「動物的欲求」を満たすものを『衛星要因』、「向上心」を満たすものを『動機付け要因』としました。

 『衛星要因』は人間の生存に必要な要因、つまり「あって当たり前」という条件であり、これが満たされないと不満を感じるけれども、逆にどんなに満たしてもヤル気を引き出すことはできず、一時的に不満を解消するだけのもの。

 例えば 職場において考えるならば
~企業の方針、職場環境、給与、地位、雇用の保証など~

 一方 『動機付け要因』は、人間のやる気を刺激する要因であり、「これがあるから頑張る」という満足を引き出すものです。

 例えば 職場において考えるならば
~達成感、人から認められること、仕事の性質そのものへの満足感、責任感、進歩、個人的な成長など~

 つまり 「不満足の解消」と「満足の引き出し」は別ものであると言っています。
上の例で言えば、いくら給与を上げても不満の解消にはなっても、満足を与えるまでにはならないということでしょうか。

(ただ現実問題として、それらの要因は状況によって変化することがあるでしょう。)

 年度の始めにあたり、給与の見直しを考えておられる事業所も多いと思いますが、皆さんはどう思われますか。
- 今月の名言 -
給料は、会社が社員に与える事のできる沢山のもののうちの一つです。
(安土 敏)
平成19年05月01日