所長コラム 2006/12

― 「昭和の芭蕉」種田山頭火 ―
 今書店に出かけると、種田山頭火の本が所狭しと並べられています。山頭火は、若いときは酒癖が悪く、家業を破産させ、妻子を捨て、挙句自殺未遂まで引き起こしています。

その後、西日本を中心に生涯にわたる行乞流転の旅に出て、酒と俳句を友に一生を旅のうちに過ごし、当時は乞食坊主と呼ばれ、あまり有り難がられなかったようです。

その種田山頭火が近年脚光を浴びていますが、芸術が生きている間に認められるのは難しいものですね。

ただ「時代」というものが確実にその仕事を評価しているということでしょう。

 私たちも日々仕事をしていますが、「時代」という物差しを当てたときどうでしょう。多分「時代」によって脚光を浴びるどころか、消されてしまうことのほうが多いと思います。寂しいことですが。

短い一生のうち、「時代」とまでは言わなくても、せめて周りの人だけにでも認められる仕事をしたいものです。
- 今月の名言 -
赤ん坊は握りこぶしを作って生まれてくる、この世のすべてを掴もうとして。
死に行くものは手を広げて死んでゆく、この世にすべてを残すため。

(作者不詳)
平成18年12月1日